「初愛」田中ユタカ
「初愛」 田中ユタカ/竹書房

 しばらく一般誌での活動をしていて、エロ漫画としては久々の新刊。
 絵柄など以前とは変化している部分はあるけれど、読んでみると良い意味で変わらない田中ユタカの漫画だった。純愛系のエロ漫画というカテゴリーなんだけど、それよりも田中ユタカ漫画と言った方がしっくりくる感じ。

 それぞれ独立した短編が9編収録されていて、本のタイトルにもなっている「初愛」以下、ほとんどの作品が恋人同士の初めての姿を描いている。そのため二人とも初めてとか、失敗しての再挑戦といったシチュエーションが目立っている。 
 起承転結のあるお話というより、場面切り出し型の話の構成なのだけれど、それでも二人がどういう関係でどのようにしてこうなっているのかというのは多かれ少なかれわかるように描かれているのは巧いと思う。そうしたあれこれの結実として結ばれているんだという背景があると同じ行為を見ていても没入感が変わってくる。
 そう凝ったプレイをしたり、淫語を叫んだり、汁塗れになったりといった描写はほとんど無いけれど、ヒロインの歓びとか、感じている描写、何より幸せそうな表情というのが、独特のエロさを感じさせてくれる。何とも言えない満足感が生じてくる。
 絵としては主人公も描かれているけれど一人称視点でやり取りしているように感じさせるのが大きいか。恋人がこちらを見つめているといった構図も多いし。
 それなので逆に「美雪の性器のニオい…」なんて表現出てくると、が妙にドキリと感じたりする。

 同級生同士、先輩と後輩、憧れていたお姉さんなど、カップルの関係はいろいろ。教師と女生徒の話が、あえて在籍中は禁断の関係にはならず卒業までの時間を待ってようやく……というシチュエーションで、田中ユタカらしいなあと感じた。

 エロいというより読んでて幸せになるようなエロ漫画で、それでいてエロが温いわけでは無くて十分以上にエロい。お勧め。


        

【2012/03/04 11:40】 | 田中ユタカ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「最高の未亡人と最高の娘姉妹」秋月耕太
「最高の未亡人と最高の娘姉妹」 秋月耕太/フランス書院文庫

 タイトルの通り、主人公が若々しい未亡人とその娘である姉妹の三人を相手にするハーレムもの。
 父親の仕事の関係で叔母の家に同居するという設定で、初対面からではなく、もともと叔母や従姉妹とは親しい間柄からスタートしている。
 似たような作品はフランス書院文庫だけで考えても数多くあるけれど、アクセントとして主人公に軽くマゾ気質の属性を加えたりして、なかなか個性を出していると感じられた。

 主人公のマゾ性を自覚させるのが、最初のヒロインとなる高飛車な性格の従姉。いきなりペット扱いされて、足指舐めをさせらて足で射精させられたり、目の前で自慰するのを観察されたりといった行為に、主人公は別に反発もなくマゾ性を刺激されて喜んでしまう。足指舐めでの描写とかなかなか良かった。ただし、そのままマゾ奴隷と女王様で終始して主人公の方がアナル開発されるといった方向には進んでいない。そもそも従姉は、上に立って主人公を弄びつつも自身は経験が無いし、最初から好意を滲ませてもいるし。
 続く叔母や従妹とは少しスタンスを変えるので、あくまでヒロインやプレイのバリエーションとしての描き方かと思う。終盤でも、楚々とした優等生の従妹が頑張って罵倒するのにゾクゾクしたり、足コキや騎乗位されるのに喜んだりと、最初だけの設定で置き去りにされてはいないのも確かだけど。

 叔母とのプレイは、年上からの筆おろし描写が好きならば満足いくと思う。ところどころフェテッイシュな描写を挟みつつも直球な描き方をしている。最初は手ほどきを受けている立場なのに、急速に性的な方面で天性の素質を開花させていき、圧倒してしまうというのも王道展開と感じる。

 三人もいるとメイン以外は割を食うが、最後の従妹もなかなか頑張っている。最初の主人公を想いつつの自慰描写と、体操服姿で告白してそのまま初体験な展開とか、健気だし存在感を出している。
 むしろ、最初にヒロイン風に登場して実際にいちばん主人公の関心を引いていたのに、中盤パートで登場がなく最後まで結ばれない従姉がいちばん割を食っているかもしれない。

 最後にハーレム展開になりつつも、叔母と従姉妹、それぞれと関係を持っているという回想でのシチュエーションがかなりエロかった。S気質のお嬢様と思わせていて、実はMっ気もありそうだと暗示させていてそのまま終わりというのが勿体ないなと感じた。従妹と学校の中でというシチュエーションも、もっとじっくり読みたかった。満足しつつも、続編的なものを書いて欲しいという読後感だった。
 
        

【2011/11/01 02:22】 | 秋月耕太 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「Loveパニック」カタセミナミ
「Loveパニック」 カタセミナミ/コアマガジン

 描き下ろしを含む10編とあとがき替わりのキャラ集合マンガという構成。
 ゲストページとして、竹宮ジンと佐伯。 

 年上のお姉さんと少年という組合せがほとんどで、レズものも1本あるが、それもヒロインからすると年上のお姉さん相手となっていて徹底している。
 年上相手といっても同じ学校の上級生や近所の人妻がヒロインではなく、成人女性がヒロインになっているというのは、案外と他のエロマンガでは少ないような気がする。年上だけど年下にしか見えないパターンとかはなく、純粋に綺麗なお姉さんタイプ。
 全体的にどちらかというと女性側からの視点である方が多く、年下を誘惑というスタンスよりも、年下相手の逡巡とか、年上である事を気にするスタンスになっていて、その辺りは巧く描いていると思う。
 既に恋人同士だったりで、年上ぶっているけど実は経験なしといたパターンはなく、ヒロインは処女でないとという向きにはお勧めしない。別にビッチタイプというキャラはいないのだけど。

 初単行本なのにどの話も一定レベル以上になっているのは凄いと思う。
 中では「らぷぱら」はふと知り合った少年とつきあい始めた主人公が、惹かれつつも深みにはまってはいけないと思い、嫌われようと痴女ぶるシーンとか、時折見るパターンではあるけれどきちんと描いてお膳立てしていて好感が持てた。そのうえで最後の「もらってくれるんでしょ?」の表情が一転して可愛い。
 騎乗位で上から攻められるシーンからいきなり始まる「彼女の」なんかは妙にエロかった。最後の中でというシーンと対比させる効果もあるのだろうけど、終わった後で避妊具を始末する描写とかが妙に目を引いた。

 エロ前面でなく、きちんとお話から描くタイプで、結果としてページ数に対してのエロ比率はやや少なくなるし、汁まみれで淫語叫んだり、突飛なプレイしたりといった事もないけれど、キャラを立てているのでエロさは単純に裸が出るより濃くなっていると思う。ノーマルプレイだけでなく昔の体操服着てでとか、後ろでといったプレイに特化したお話はあるが。

 年上好き。お姉さん好き(姉キャラという事でなく)ならば、間違いなく買いだと思う。


        

【2011/10/01 12:55】 | カタセミナミ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「えっちスケッチ」 環々唯
「えっちスケッチ」 環々唯/ヒット出版社

 一番の疑問は、帯と巻末のゲストページ、さらには目次のカットまで安永航一郎が溢れている点。関係性については触れていないので謎のまま。

 全部で7本収録で基本的には読み切り。ただ、「捕食の倫理」に対して「捕食の倫理2」、「乙女純情シールド」に対して「乙女純情ゴール」と続編も描かれている。
 けっこう描かれた期間に開きはあるけれど、総じて安定している。

 その中では「捕食の倫理」2本が少し抜きん出た感があった。
 古い書物に記された読心術を体得した主人公が、憧れている女教師の心を読み取ってみたらという、けっこうご都合主義的な導入から、優しく清純そうな女教師のギャップを描いていく展開が面白い。まじめに授業しつつ、心の声が「SEXしたあああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い」や「今日で何日オチンチン咥えてないかしら…」だったりで、インパクトがある。どっちかというと淫乱さより笑い寄りになってる気はするが。
 単純に色情狂という事でなく、どこかあっけらかんとエロ妄想を滾らせつつも、絶対に生徒には手を出さないと決めて区切りは置いている辺りがちょっと特異なヒロイン像になっていると思う。
 結局は主人公にバイブ入れているのを見つかって言葉責めされる展開から、スイッチが入って嬉々として童貞を奪ってしまうが、事が終わって本気で落ち込む対比とかおかしみを誘いつつも、かわいいと感じさせる。その過程での先端を徐々に咥え込みながら喋るシーンのエロさとかは最高だし。
 続編も、一度歯止めがなくなったら校内で何度と無く繰り返す関係となり、さらに休日に部屋に呼ばれるとという流れで、さらに濃厚になっている。4Pシーンもいいし、他の男を呼ばれそうになって主人公が奮起するところとかも微笑ましい。
 年上のお姉さんとか女教師とかの属性があるからこれが一押しで異論ないと思うが、幼馴染好きならば、「CHOO-CHOO-Syndrome」とか直球ど真ん中だろうし、「乙女純情」の2本を推す向きもあろうかと思う。

 カバーを取ると、あとがき及び、各話についての簡単なコメント、「捕食の倫理」の四コマ漫画などがあり、得した気分になれる。先生が主人公の恋愛感情に気づいていないというのに唖然とさせられるが、客観的に見ると、弱みを握って肉体関係を結ばされて後は性欲のおもむくままに関係を継続させられているといった陵辱モノ展開と言えなくもないのだな。微塵もそんな雰囲気はないが。それだから最後、ご主人様なのかと思ったり。

 総じて和姦モノというのは嗜好が合わないという事でなければ、十分楽しめると思う。


        

【2011/06/17 00:17】 | 環々唯 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「ピンクトラッシュ」けろりん
「ピンクトラッシュ」 けろりん/エンジェル出版

 このコミックスで初めて知って読んだが、かなり嗜好に合って慌てて既刊を探したりした。
 まだまだ知らない漫画家や作品は多いなと思った。嬉しい事だが。

 表題作になっている「ピンクトラッシュ」と少し変化球的な続編、「愛だ恋だのいってないで」とそれとつながる短編群、他にもいくつかと11本の収録作品。数の多さは散漫さより多彩といった良い印象を受ける。
 幾つかの短編が、それぞれ独立しつつも同窓会という場でリンクさせて登場人物の関係性持たせているのは面白いと思った。

 どれも良いが、片思いしつつも想い人に声も掛けられない消極的で目立たない主人公男が、女性三人組と同時に関係を持つ「愛だ恋だのいってないで」からの三編が非常にエロかった。四人でくんぐほぐれつというただでさえ描くの難しそうなシチュエーションなのに、さらに狭い場所での行為というのにこだわっていて難易度を上げている。ミニバンの中で弄ばれつつ童貞喪失から始まって、ユニットバス、飲み屋のトイレと進んでいく。なんだかんだで良い関係を構築するあたりも後味が良い。

 収録作品中かなり古い、「タッチ&チェンジ」もなかなか良かった。目立たずほとんど声を出さない少女と親しくなりという出だしから、何かきっかけがあって関係を結ぶお話ではなく、いきなり二ヵ月後に跳んで、昼休みに学校内で口でさせているシーンになっているのが、妙な興奮を誘う。恋人同士になっているし、エロマンガなのだけど、何故か「汚された感」がが沸いてしまったのが面白かった。

 他にも、同窓会で好きだった女の子が他の男と去ってしまい、それを慰めるかつての担任の女教師と関係を持つ話、エロ漫画家になった女の子とのお話、ファンタジーとかもあり、それぞれ良品だと思う。

 一応成年マーク付で、消しは微小なのだけど、もともと女性器をごりごりと描くタイプの作風ではないようで、恩恵を蒙っているのは男性器ばかりという印象。

 話の組み立てに仕掛けがあったりするものを除けば、凌辱要素はほとんどない。
 ハーレムタイプのお話かつ男主導でなく女側から弄ばれるのが好きであれば「愛だ恋だのいってないで」はかなり楽しめると思う。
 個人的には大当たりだった。

        

【2011/04/18 12:47】 | けろりん | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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